Basicバージョン
<完成品の販売や作成代行は行っていません>
 

燃費計外観


機能
主な機能は以下の通りです。
1.平均燃費、および瞬間燃費の測定
2.LCDに測定値をリアルタイム表示
3.LEDに瞬間燃費の状況を色分け表示
4.燃費計算計数の自動調整
5.PCへの燃費履歴データ転送機能
 


測定原理
燃費データの測定には次の信号を利用します。
1.車速パルス
2.インジェクタ信号
 
2本ともECUのハーネスから取り出します。
 車速パルスはJISで定義されていて、約392.5mmで1パルス出力されます。
 インジェクタ信号は、ECUからインジェクターへ燃料噴射を指示する信号です。4サイクルエンジンの場合1つのインジェクターはクランク2回転で1サイクルの噴射があります。
ECUからの出力信号はアクティブLOWで、パルス幅はアイドリング時で5ms程です。インジェクタ信号は各気筒(インジェクタ)毎に制御信号がありますが、接続するのは1本だけです。
信号波形は下図のようなものになります(プレッソ整備書より)
インジェクタ信号波形
インジェクタ信号波形サンプル(アクティブLow)
車速パルスとインジェクタ信号はマイコン内部でそれぞれ走行距離と消費燃料に変換します。
走行距離と消費燃料が取得出来れば下記式で燃費が求められます。
 
燃費 = 走行距離/使用燃料 [km/L]

これが大まかな測定原理です。あまり詳しい説明は面倒くさいので省略します。興味のある方は直接質問して下さい。
 


機能の詳細について
・表示部について
表示は一般的なLCDパネルを使いました(16桁×2行 バックライト付き)。秋葉原などで簡単に手に入ります。
LCD(16×2)
16桁×2行のLCD。千円くらい
 

・操作部について
操作は4つのボタンで行います。
各種調整などを行う場合もこのスイッチを使います。メニュー表示機能を持たせましたので、計測値クリア、燃費係数変更、表示項目変更などが簡単に行えます。
操作スイッチ部(分割タイプ)メニュー画面
 

・表示内容について
今回は下記の4項目を表示させることにしました。
1.平均燃費
2.瞬間燃費(バー目盛り付き)
3.総走行距離
4.総消費燃料
 
平均燃費は単純に走行距離と消費燃料から求めた燃費です。長い距離を走る場合などに役立ちます。
瞬間燃費は数秒の間での瞬間的な燃費です。アクセルの踏み具合で燃費が大きく変化します。フューエルカット状態も表示出来ます。 町中などストップアンドゴーを繰り返す場面で役立つと思います。
総走行距離と総消費燃料は、計測値クリアを行った時点からの走行距離と消費燃料量です。
 

一度に多くの情報を表示すると非常に見づらくなりますので、二つの表示パターンを作ってどちらか片方を表示させることにしました。

1.瞬間燃費(バー目盛り付き)
総走行距離 + 総消費燃料
2.瞬間燃費(バー目盛り付き)
平均燃費
パターン変更はメニューで行います。
 

・燃費計算係数について
燃料噴射は車体によって個体差がありますので、燃費計算係数をユーザーで入力して調整出来るようにしています。
燃費計算係数は下記式で求められます。
 
今回の燃費計算係数 = (実給油量 / 表示されている消費燃料値) ×前回の燃費計算計数 [%]

係数の変更はメニューで行います。調整範囲は299.99〜1.00%です。給油をおこなった直後に変更します。
給油時に実給油量を入力する処理がありますので、通常は計数をマイコン内部で自動的に計算して変更してくれます。
 

・瞬間燃費状態LEDについて
LCDパネルは数値を読み上げる必要がありますので、パッと見ただけで状況がすぐに分かるようにするため状態表示用LEDを付けました。 表示パターンが5段階に変化して燃費状況を表示します。
1.緑点滅燃料カット状態
2.緑点灯低燃費
3.赤,緑点灯(橙)通常燃費
4.赤点灯悪燃費
5.赤点滅停止状態
状態表示LED
二色LEDを使いました
 
色分けしきい値の変更はメニューで行います。
 

・通信機能について
この機能はこの燃費計の最大の特徴です。
市販の燃費計はそれ自身で完結しているために外部との接続手段がありません。この点は実に不満です。そこでパソコンを接続することで さまざまな角度から燃費データを扱える機構を作ってみました。
燃費などの計測データは計測値をクリアするごと(通常は給油時)にマイコン内部のEEPROMに保存しています。データは18回分まで保存可能で、古いデータから上書きします。 これだけの件数が保存できれば2〜3か月に1回まとめてデータを転送すれば十分のはずです。 EEPROMなので万が一電源が切れてもデータは消えないので安心です。 計測データは燃費計にPCを接続することで転送することが出来ます。
取り出せるデータは、
1.給油日付(年,月,日)
2.走行距離
3.消費燃料
4.使用した燃費計算計数
5.実給油量
 
この5点です。(1)と(5)は計測値クリア時に手動で入力します。
PCとの接続インターフェースはRS-232Cです。RS-232Cポートが付いていないパソコンではUSB→シリアル変換器を使って下さい。
PC側のデータ取り出し用アプリケーションも作成しました(Windows用)。
データを取り出した後はCSV形式で保存するので、Excelなどに取り込んで編集すれば総合的な燃費管理を行うことも出来ます。
今までメモ帳などに走行距離と給油量を書き留めていた人にはけっこう便利なアイテムだと思います。
通信中画面アプリケーションの画面(クリックで拡大)
 


測定精度について
私を含めて数人の方に協力して頂いて実験をしました。下の表がその時の実験結果です。
サンプル測定用の燃費計
サンプル収集用に量産
 
 
サンプル1
エンジンタイプ:1500cc(NA)
走行距離実給油燃費計測定誤差[%]
1回目380.0934.2535.31-3.09
2回目230.6621.8120.725
3回目503.7141.3944.19-6.76
4回目378.8829.9629.252.37
5回目570.4739.4440.16-1.83
 
サンプル2
エンジンタイプ:2500cc(NA)
走行距離実給油燃費計測定誤差[%]
1回目354.8340.7139.772.31
2回目343.8240.7 41.38-1.67
3回目381.7240.4740.62-0.37
4回目382.1139.7 38.730.87
5回目419.9440.7441.24-1.23
 

給油を数回繰り返すことで誤差は小さくなる傾向にあります。まだ少し大きいようですが十分実用的です。 満タン法で測定ということを考慮すればかなり良い精度だと思います。
 


取り付けについて
理論上はインジェクション制御タイプのエンジンであれば車種を問わずに取り付けられるはずです。 V6エンジンと直4エンジンで動作確認をしました(マツダ車のみ)。他の車種に付けた場合は不具合が出るかもしれません。
また最近の車のように複雑な制御をしているエンジンでは正常な値が出ないと思います。
他の車種で正常に動作した場合にはご一報下さい。
 


作成について
材料費はざっと計算したところ約3,000円くらいです(通信機能無しの場合)。後付けのバキューム計よりもずいぶん安いはずです。  


回路図やファームウェアはこちらに置いてあります。
部品点数は結構少ない方なので初心者の方でも問題なく作れると思います。


なおいつもの事ですが作成依頼されてもお断りしていますのでご了承下さい。
部品購入の代行も行っていません。
 
プログラム済みのPICは無償(部品代と送料のみ)にてお分けしていますので、メールにて問い合わせて下さい。
 


'04年の5月ぐらいから作り始めて、その間にいろいろな人から意見を頂いてここまでレベルアップさせることが出来ました。 ありがとうございました。>各位

 設計については下記HPを参考にさせて頂きました。HP管理人様の許可を頂きましたのでリンクを貼らせて頂きます。

Palmの燃費計

Palm対応の燃費計を作成されている「が〜たさん」のHPです
Palmの画面に燃費状況がリアルタイムで表示されます
今回とても参考にさせて頂きました

 


'05/06/08 動画追加
どのように動作するのか文章ではわかりにくいと思いましたので動画を追加しました。
動作中画面
(クリックで再生)
 

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